大賞
古民家カフェ とこ十和
懐かしさあふれる古民家カフェで、ほっと一息つくひとときを
緑の里山に囲まれて建つ、古民家カフェとこ十和。築120年余の旧飯田邸を改築したという店舗は、古民家の雰囲気とモダンデザインが融合し、くつろぎを感じられる空間となっています。
母として、主婦として慌ただしい時間を過ごしてきた、店主の山本功子(やまもとのりこ)さん。子育てが一段落すると、「女性が日常を離れて、思い思いに過ごせる空間づくりをしたい」という想いが次第に強くなっていきました。縁があり築120年以上の古民家を購入。歴史を紡いできた建物を残すと同時に、地域の人々に愛されるカフェをつくりました。
大きな引き戸の玄関を入ると、立派な梁が残る土間が出迎えます。座敷席のほか、カウンター席や靴のまま利用できるテーブル席も備えた、カジュアルに利用できる空間で、座敷席は縁側から優しい自然光が入り、お子様連れのお客様からものんびり過ごせると好評です。お店はレンタルスペースとして貸し出しもしており、ワークショップやマルシェを開催するなど、地域に賑わいをもたらしています。
カフェの看板メニューは、旬の食材を使った季節替わりのランチ。自家栽培のお米、地場で採れる新鮮な野菜や魚、国産のお肉、手作り味噌など、食べる人の健康を考えたメニューは、ホッとする美味しさです。近年地域で栽培が盛んになったレモンも、食事やケーキに積極的に取り入れています。「お一人でも、ご友人やご家族とでも、ゆったりとした時間を過ごしてほしい。」と語る山本さん。その想いとスタッフの明るい接客が相まって、誰もが癒しの時間を過ごせます。
ランチメニューは7種類。旬の野菜をふんだんに使った、バランスのいい献立です。地場の食材を中心に使うため、メニューにはないメイン料理が登場する日もあります。
カフェで提供するために自家栽培しているお米。できるだけ安心、安全な食材を口にしてほしいと、自然農法で育てています。お米本来の旨みが引き出された、濃い味が特徴です。
芸術鑑賞に興味がある山本さん。地域の美術館のような場になればと、店内にはギャラリースペースも設けました。周辺地域在住の作家を中心に、様々な作家に利用されています。
お店からのメッセージ
店主山本功子さん
指出 一正(さしで かずまさ)
古民家を上手にリノベーションし、誰もがゆっくり過ごせる時間を創出しています。余計な物を置かない洗練された空間づくりで、お料理やゆとりのある空間を存分に楽しむことができます。
お料理と接客からはこまやかな心遣いが感じられ、メニューはどれも丁寧に作られています。
古い物件を持続可能な形で利用したり、店主自ら米作りを行ったりと、地域との共生も実現されており、店主の想いを随所に感じることができるお店です。
店舗情報
- 所在地
- 牧之原市中734
- TEL
- 0548-28-7887
- 営業時間
- 11:00〜15:00
(ランチ11:00〜14:00)
- 定休日
- 日曜日・月曜日
優秀賞
リバーブックス
本とまちの魅力に出会える小さな本屋さん。クラフトビール片手に、自分だけの時間を
エッセイや料理本、サブカルチャー関連など気軽に読める本から、アート、歴史、民俗学など深掘りしたいテーマまで、幅広いジャンルの本を取り揃えているリバーブックス。地元沼津市出身で、前職は出版社勤務だった江本典隆(えもとのりたか)さんの、地域と本への愛情が詰まったお店です。
「本好きのためだけではない本屋。選書には時間をかけ、日常的に本に親しんでいる人も、そうでない人も、思わず手にとって読みたくなるような本を揃えています。」と、江本さん。店内には、そんな江本さんの“推し”が並んでいます。令和の短歌ブームの今、現代短歌のコーナーが充実しているのも特徴のひとつです。ぐるりと回遊できる店内を一巡りすれば、きっと気になる1冊に出会えることでしょう。
築80年に近い元洋裁店をリノベーションした店舗が建つのは、かつて東海道の宿場町として栄えた一角です。年月を重ねた飴色の本棚は、惜しまれながら閉店した市内の書店から譲り受けたもの。地域の歴史やノスタルジーを、様々な形で受け継いでいます。
本選びのお供は、フレッシュなクラフトビールと、富士市で生産される香り高いほうじ茶。カップ片手に本を眺めながら、自分のペースで過ごせます。市外や県外からの来店者には、沼津を好きになってもらいたいという思いから、店からちょっと足を伸ばせば行ける穴場的なおすすめスポットも紹介。本を楽しみながら、沼津の魅力にも出会える本屋です。
平台に並ぶのは、特に読んでほしいとおすすめする書籍。選書には時間をかけているという江本さんオススメの、ジャンルにとらわれないラインナップです。
近くにある醸造所「沼津クラフト」のフレッシュなビールを販売。ホップの爽やかな香りと苦みが特徴のオリジナルビール「リバーブックスIPA」も提供しています。
イラスト、写真、クラフト、器など様々な作家やアーティストの作品と出会えるギャラリー。展示作品と関連したアート本も併せて楽しめる企画もあります。
お店からのメッセージ
店主江本典隆さん
ひびの こづえ
元洋裁店をリノベーションした店舗は、元々のお店の古さを活かした潔さが空間の強さになり魅力的です。
出版社に勤務されていたという店主の知識が活かされた選書で、本の届け方が独特でユニークです。本の並べ方から店主の気持ちが伝わってきます。
前職の強みを活かし、沼津のまち案内にも貢献しており、奥深さが魅力に繋がり、今後認知されていくお店だと感じます。
店舗情報
- 所在地
- 沼津市下本町34
- 営業時間
- 13:00〜20:00
(日曜・祝日は18:00まで)
- 定休日
- 火曜日
- お問合せ
- InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)にて
御連絡ください。
特別賞(ウェルビーイング賞)
ル・デッサン
店主こだわりの一杯を提供。世界の人々を惹きつけるラーメン屋を目指す
フレンチシェフ歴30年の店主、増田稔明(ますだとしあき)さんは、子育てを機に地元の島田市に戻ってきました。地元島田では、「大人にも子供にも楽しんでもらえる飲食店にしたい」とフランス料理店ではなく、ラーメン店を開業。無化調、自家製麺であるため、子供でも安心して食べることができます。
シンプルで清潔感のあるカフェのような店内では、割烹着姿のスタッフが接客。各テーブルに置かれた冷水が入ったやかんとともに、どこか懐かしさを感じる演出がユニークです。
ル・デッサンの最大の特徴は、通常のラーメンとは異なり、フレンチの技法を用いて作られること。香味野菜を一切加えない、日本では稀少なほろほろ鳥100%のダシは、まさに唯一無二の味です。この他にも鶏や鴨、帆立など、高級食材を惜しみなく使い丁寧に取るダシは5種類。それぞれ醤油や塩など好みの組み合わせのスープを選ぶことができます。自分だけの最高のラーメンを追求している増田さん。だからこそ、見た目の美しさも大事にしています。盛り付けの時に丼を見つめる眼差しは、真剣そのものです。
「『元フレンチシェフ』ではなく『ラーメン屋の増田』と呼ばれたい。目指すのは地域に人を呼べる店。」と話す増田さん。「地元の人に愛され、市外、県外、海外からもお客様に来ていただけるよう、まだまだ精進します。」と話す増田さんからは、静岡を盛り上げていこうという力強い想いが伝わってきます。
ラーメン店のイメージを覆す、落ち着いた空間で、店内の一角には、以前営んでいたフランス料理店時代のメニュー表や写真、料理人仲間の名刺等を掲示。当時の店の様子が伺えます。
3種類の小麦粉をブレンドした自家製麺。パスタに使われるセモリナ粉でコシをアップ。もち麦がスープを吸うので、麺を食べるとスープの味もしっかり感じることができます。
食事の前に、まずはお茶でほっと一息ついてほしいと、お客様に静岡県産の温かいお茶をサービスするのは、オープン当初から。茶処ならではのおもてなしです。
お店からのメッセージ
店主増田稔明さん
ひびの こづえ
すっきりしたシンプルな空間と、店内スペースのゆったりとした広さは、様々な人が快適に感じる要素になっています。白い壁とモダンなインテリアは清潔感があり、水の入ったやかんがユーモラスで温かみを感じます。
ラーメンは、美味しさだけでなく、美しい見た目も追求されており、お客様に選ばれる店舗となるよう取り組んでいることが分かります。
店主は、島田への愛に溢れており、地域や次世代についての想いを感じ取ることができました。
店舗情報
- 所在地
- 島田市御仮屋町8802-1
- TEL
- 0547-54-5536
- 営業時間
- 7:00〜13:30
※麺がなくなり次第閉店
- 定休日
- 月曜日・金曜日、第3日曜日
特別賞(ローカルフード賞)
Homage
“身近な食材で世界の旅を。” 自然に配慮した食材でつくる世界のごはん
Homageは、インド出身のヴァルシネー・ディパリさんが、世界20か国以上を旅して味わった現地の料理を、身近で手に入るオーガニック食材で調理して提供する無国籍料理店です。店舗の軒先には茅葺き屋根を設け、木材部分には柿渋を使用するなど、昔から受け継がれてきた天然素材を使用したデザインで、ディパリさんならではの感性が伺えます。入口の全面ガラスを活かした自由なお絵かきスペースも特徴のひとつ。子供から大人まで、クレヨンで思い思いの絵を描くことができます。
東京から移住し、伊東市でオープンした念願のお店は、お客様の9割が近隣の人たちで、すっかり地域に溶け込んでいます。キッチンを囲む大きなカウンターはこだわりのひとつ。客席からキッチンに置いてある食材や調味料が見えるため、その特徴や産地を話題に、お客様とのコミュニケーションが生まれます。
食材は、できる限り国産で、有機栽培や無農薬の食材を使用。「化学肥料を使わず育てた野菜は、環境にやさしい。自然と調和して育てた野菜は、人にもやさしく安全です。」と話すディパリさん。同じ想いを持つ生産者から、旬の食材を直接仕入れています。また、料理本来の味に近づけるため、できる限り昔ながらの調理法で作っているといい、スパイスをすりつぶす時は、石板やすり鉢など、昔からあり現代でも使われている道具を使っています。
メニューは季節ごとの味わいを大切に、週替わりで用意。ディパリさんが大切にしている、“食の世界観”を込めた料理を、これからもお届けしていきます。
週替わりのフードメニューは、2~3種類を用意。アジアの料理を中心に、世界各地の料理が登場します。写真は「南米の豚肉入り白豆煮込み」です。
入口にある黒板には仕入れた食材の生産者の名前が書かれています。静岡県東部を中心に、農家から直接仕入れ、生産者の顔が見える関係づくりを大切にしています。
毎朝焼くパンと焼き菓子は、テイクアウトもできます。小麦粉と水だけで作るカンパーニュは、乳酸発酵のほんのりとした酸味が特徴。焼き菓子は2~3種類が並びます。
お店からのメッセージ
店主ヴァルシネー・ディパリさん
兒玉 絵美(こだま えみ)
茅葺き屋根や丸いカウンターなど店主のこだわりを感じる店舗デザインとなっています。インド出身の店主が見て感じた、日本や地域の魅力がインドの雰囲気と混ざり合い素敵に編集され、固有のお店づくりにつながっています。お花なども手が行き届いており、ナチュラルで居心地が良いです。
カウンター越しに店主や他のお客様とも自然に会話が生まれるような空間が作られておりお店にいる時間を楽しくさせてくれます。
食材の産地や建物の素材にはぶれない姿勢を感じます。ローカル、オーガニック、低炭素といった一見難しいテーマがおしゃれに実践されています。
店舗情報
- 所在地
- 伊東市中央町4-5 小田原屋ビル1F
- 営業時間
- 11:00〜16:00、ディナーは予約制
- 定休日
- 水曜日・木曜日・金曜日
- お問合せ
- InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)
またはLINEで御連絡ください。
特別賞(ローカルプロダクト賞)
TUNALABO
ツナ缶発祥の地、焼津から。人と人を“つなぐ”、高級ツナ瓶専門店
東京で飲食店を経営していた関根仁(せきねひとし)さんは、手作りツナの魅力にはまり、ツナ専門店を開業。美味しいツナを作りたいと新たな拠点に選んだのが、ツナ缶発祥の地、焼津市でした。
焼津に水揚げされる良質なビンチョウマグロ、ミネラル豊富な駿河湾の海洋深層水、国産の紅花油や米油、ごま油をバランスよくブレンドしたオイルなど、すべての素材を吟味。さらにハーブや香辛料などを加えた瓶詰めのツナは、人と人との“つな”がりを大切にする“乙な”ものとして「おつな」と名付けられ、TUNALABOの厨房で毎日手作りされています。13種類あるツナはすべて試食ができ、スタッフがそれぞれの味の特徴を丁寧に説明。おすすめの食べ方のアドバイスもしてくれるので、お気に入りの味をじっくりと選ぶことができます。
店舗のデザインテーマは“研究室”です。壁は、海をイメージしてブルーにペイント。店内には、世界のツナ缶もディスプレイされています。「おつなのコンセプト『つながる・つなぐ』を世界の共通語にしたい。」と話す関根さん。誰でも安心して食べられるように、3年前からはハラール食にも対応しています。
さらに2025年1月には、焼津の地元の食文化を継承する大衆食堂をオープン。焼津のツナの美味しさ、歴史、水産業の魅力が焼津ブランドとして認識され、国内外にさらに広まるよう、日々奮闘しています。
楽しみながら好みの味を選べるように、店で販売している13種類のツナは、すべて無料で試食ができます。30分ほどかけてじっくり選んでいくお客様もいるそう。
贈答用にも使われるおつなは、見た目にもこだわって瓶詰めに。使う食材は同じでも、季節によって味が微妙に変わる、その違いも楽しんでほしいと関根さんは言います。
焼津はツナ缶発祥の地。焼津や清水で製造されている、地元ではおなじみのツナ缶も販売。焼津に来た観光客がおみやげとして購入していきます。
お店からのメッセージ
店主関根仁さん
繁田 和美(しげた かずみ)
研究室を思わせる空間づくりにより、コンセプトが明確に伝わるお店です。“ここにしかない”“ここでしか買えない”という価値を大切にされています。
13種の試食を提供しながらお客様とのコミュニケーションを重視し、箱・ネーミング・パッケージ・消費期限に至るまで、どのようにお客様と関わるかが綿密に設計されています。
地域の人々とのつながりを大事にしながらお店づくりを進めており、焼津を現代風にブランド化しようと取り組まれています。
店舗情報
- 所在地
- 焼津市本町1-10-4
- TEL
- 0546-25-8408
- 営業時間
- 11:00〜18:00
- 定休日
- 月曜日
特別賞(プレイスメイキング賞)
pikiniki
サンドイッチとコーヒーを味わいながら、自然の中でゆったりピクニック
トレンドがめまぐるしく変化していく現代。そんな中でも、「流行に流されず独自のスタイルで、美味しいサンドイッチと心地よく過ごせる空間を提供し続けたい」と語る、足立和己(あだちかずき)さん。フォトグラファーとして活躍しながら、2019年、地元の中伊豆にpikinikiをオープンしました。
かつて滞在したオーストラリアやニュージーランドで通ったようなカフェを作りたいと、祖父の家をセルフリノベーション。大きなガラス窓から自然の景色を楽しめる、明るく開放的な店内は、木のぬくもりに包まれています。リノベーションならではの古き良きものを残しながら、快適性も兼ね備えた清潔感のある空間です。
カフェで提供するのは、自家製カンパーニュに自家製ベーコンや自家菜園の野菜、オリジナルソースなどを挟んだボリューミーなサンドイッチ。すべて試作を重ねて仕上げた自信作で、パンと具材の相性は抜群です。また、ニュージーランド発のロースタリー「Allpress Espresso」の豆を使用したコーヒーは、静岡県内で唯一飲むことができるこだわりの味です。
本場のニュージーランドスタイルで楽しむなら、風にそよぐ木の葉の音がBGMになるピクニック広場へ。気候が爽やかな季節は芝生の上に椅子を並べて、思い思いにのんびりピクニックを満喫できます。日射しの強い日は、足立さんがDIYした小屋「サンカク」の中もおすすめです。遠方から通う常連客も多いというのも納得できる、心地よい時間が流れています。
毎朝焼き上げる自家製パンに、自家菜園の野菜や自家製ベーコンなどの具材を挟んだ、ボリュームたっぷりのサンドイッチ。現在は8種類を取り揃えています。
自然に囲まれたピクニック広場は、ワンドリンク制で利用可能。椅子の無料貸し出しがありますが、ピクニックシートを持参しての本格ピクニックもおすすめです。
店舗は、祖父の家を3ヶ月かけてセルフリノベーション。客席部分は、かつての和室と縁側だそう。リノベーションで出た木材でDIYしたテーブルと椅子も手作りのぬくもりを伝えています。
お店からのメッセージ
店主足立和己さん
指出 一正(さしで かずまさ)
日本家屋がセンスあふれる形でモダンにリノベーションされていておしゃれです。
隣接する梅林だったスペースを、ピクニック広場として活用しており、お客様が非日常を体感し、思い思いの時間を過ごすことができます。固定のベンチを置かずに椅子やマットを持ち込むアイデアもとても良いです。
“伊豆の山奥でピクニック”を目的として店舗に来店するお客様が多いということで、“目的地”として地域の活性化に貢献しています。
店舗情報
- 所在地
- 伊豆市湯ケ島2860-2
- TEL
- 0558-79-3532
- 営業時間
- 11:00〜16:00(土日祝〜17:00)
- 定休日
- 水曜日・木曜日


















